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旧ディジョン日記(移転しました)

以前フランスの地方都市ディジョンでフランス語を学んでいました。

en を使った熟語表現(工事中)

 中性代名詞 en を使った熟語表現というのは、代名詞とは言いつつも、具体的には何も指していない場合が多い点で、なかなか日本人には馴染みにくい表現だと思います。しかし、フランス語ではよく出てくるので習熟する必要があります。僕の錆びかかっているフランス語能力でも…パッと思いつく限りでは、

・s'en prendre à...
 …に襲い掛かる、攻撃する、批判する

・il s'en faut de (数量・程度) que + Subj.
 que 以下のことが起こるためには、(数量・程度)が欠けている

・s'en aller
 立ち去る:かなりよく使われる表現です。主に帰るときなど去り際に言います。
 Tu t'en vas ? 「行っちゃうの?」
 On s'en va.
 Je m'en vais. などなどの形で覚えてしまうといいでしょう。

・s'en tirer
 これは、s'en sortir と同じ意味です。

・s'en foutre, s'en ficher

 On s'en fout. 「どうでもいい」とか「知ったことか」、「関わりない」など
 Je m'en fous.
 Je m'en fiche.

 これは使う場合注意です。特に foutre をつかったものは、foutre が俗語なので場合によっては、品のない喋りをする人だと見なされます。辞書によっては、凄い言葉ですが…

 je-m'en-foutiste 「どうでもいい主義」

 なんて言葉が載ってたりします。

・en avoir ras-le-bol
 これもかなりよく使われます。「うんざりだよ」という気持ちを表します。
 政治家の失態を見ては…

 On en a ras-le-bol.
 
 なんて言ってやるといいかもです。他にも…同様の意味で、

 J'en ai marre. 「もうたくさんだ」

 なんてのもあります。同じ意味で、あまり障りなく使えそうなのは↓です。

 J'en ai assez.
 
etc..



à ceux-ci s'ajoutent...

en rester là
il n'en est pas moins vrai que
il n'en reste pas moins
il n'en demeure pas moins
il en est ainsi(il en est autrement)
s'en tenir à

etc..

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熟語表現:髪は女の命、あるいは男の懸念

今日は「髪」に即して、フランス語の熟語表現を拾ってみるという企画にしてみました。

タイトル通りのフランス語の表現があるわけではないので、まぁ…ちょっと釣りですね。まとまって見ていると、「髪」についての捉え方が違いが見えてきて面白いので、こういう企画です。



と、その前に、天気の話題。ディジョンは、ここ3日ほど濃霧が続いていました。気温は0度から10度の間といったところでしょうか。底冷えのするような寒さではなく、比較的過ごしやすかったのですが、3日が3日中濃霧という体験は日本ではしたことがなかったので、まずはその写真からUPしたいと思います。

↓こうなってみると、あたかも草原のような印象を与えますが…
Sans titre

実際はこの辺。ブルゴーニュ大学の構内です。↑では、100メートルほどの視界もおぼつかない…。
ordinaire.png




さて、本題。今回の記事の参考文献はこれ。Robertの表現辞典です。喩えるなら、でっかい熟語集です。勿論フランス語で書かれています。これが良いのは、語源が載っていて、解説もしっかりしている。どうしてこんな意味になるの?という疑問に答えてくれる(ことが多い)一冊です。
robert expression

では…「髪」について引いてみます。勿論 Cheveu ですよ。まずは出題編。ちょっと考えてみてください。一部、日本語の意味との違いを示すために、また、フランス語が分らないという人のために、とりあえず熟語の意味ではない直訳をつけておきます。


☆出題編

1. s'arracher les cheveux (自分の髪を引っこ抜く)
2. avoir mal aux cheveux (髪が痛い)
3. couper les cheveux en quatre (髪を4つ切りにする)
4. faire dresser les cheveux sur la tête (頭の上に髪を立てる)
5. être tiré par les cheveux (髪で引っ張られる)
6. prendre(saisir) l'occasion aux cheveux
7. cela arrive comme un cheveu sur la soupe (スープの上の一本の髪の毛のようにしてそれは起こる)
8. il s'en faut d'un cheveu 





☆回答編

1. s'arracher les cheveux
自分で自分の髪を引っこ抜くほどの感情、つまり「絶望・憤怒・苦悶といった強い感情を抱いていること」を表す表現です。

2. avoir mal aux cheveux
「二日酔いで頭が痛い」。頭と髪の位置が近いので、頭を髪で置き換えた表現(小難しくは「換喩」といいます)。

3. couper les cheveux en quatre 
床屋に行って、髪を4つ切りにするようなことを想像するといいかもしれません。よりよくしようとして、度を越してやりすぎてしまうことです。「凝りすぎる」となります

4. faire dresser les cheveux sur la tête 
日本語には、怒りと逆立った髪を結びつけた表現に「怒髪天を衝く」というものがありますが、フランス語は、髪が逆立つほどの感情は、怒りではなく「恐怖」です。ピッタリ来る日本語はむしろ「身の毛がよだつ」ですね。うーむ。

なお、英語をご存知の方に注意ですが、dresser は、英語の dress  と意味が違います。2つとも、ラテン語の、directus 「真っ直ぐにされた」に語源を持ちますが、この原義の意味に近いのはフランス語のほうで、英語のほうが転義でしょうね。つまり英語は、「真っ直ぐ」→「身なりがいい」→「服を着せる」になるのだと思います。

5. être tiré par les cheveux
髪を引っ張られれて無理やり連れて行くってイメージですかね。これは特定の場面につかわれ、「議論の筋道がほとんど通っておらず、無理やりこじつけられる」を意味します。能動態でもつかわれるようです。

6. prendre(saisir) l'occasion aux cheveux
これは、知っている人も多いのでは?と思って訳はつけませんでした。「チャンスをすばやくつかむ」という意味になります。Robert の解説によると、「髪は我々の文化においては、魔術的な力の象徴である」となっています。ふーむ。

7. cela arrive comme un cheveu sur la soupe
全体で「場違いである、都合が悪い」を意味します。日本なら味噌汁の上でしょうか…。味噌汁の上に髪の毛が浮いていると、確かに場違いですよね…。解説によると、この場合の「スープ」は、「ブイヨンあるいはむしろ正確には食べ物一般という現代的な意味を持っている」とのこと。「スープ」自体の意味合いも変わってきてるのですね。

8. il s'en faut d'un cheveu 
さて、最後。これはヤヤコシイので、少し長めの解説が必要な表現ですね。「髪」は、たいていの場合は、les cheveux と複数形で使われるのが普通です。「一本の髪」として使われているこの場合、比喩的な意味を表します。「ここでは、とても細い、微細なものを表している」となります。ここで、少しヤヤコシイ構文を押さえておきましょう。

Il s'en faut de ... 「何々するまでには、de ... が欠けている」という意味です。

これは応用が効いて、

・il s'en faut de beaucoup que + Subj.
「何々する(que 以下)までには、いっぱい欠けている」→「何々するには程遠い/及ばない」

・il s'en faut de peu que + Subj.
「何々する(que 以下)までには、ほとんどない」→「もうすこしで、何々するところだ」

que 以下は、実現していない内容をとるので、必ず接続法をとります。

となると、

il s'en faut d'un cheveu que + Subj. は、「髪の毛一本ほどのわずかなところで、何々するところだ」となります。


主に複合過去で使われることの多い構文なので、

il s'en est fallu d'un cheveu que + Subj.

と覚えておくのがいいかもしれません。


こうやって見ていくと、日本語の「紙一重」は、フランス語では「髪一重」だということですよね。




☆おまけ


ちょいとばかり、おふざけでこんな例文を作ってみました。


Il s'en faut d'un cheveu que Namihéi devienne chauve.

訳:波平は、髪の毛一本のところでハゲになるところだ。(ハゲまで「髪」一重である。




























20090729123242_20110119095617.jpg

Wiki によると、波平さんは育毛剤を愛用しているそうです。

最後に、もう一個作文してみました。

Il faut rester zen de peur qu'on ne s'arrache les cheveux !

意訳:自分の髪の毛を引っこ抜くほど心を乱さないためには、禅の境地でいる必要がある。

まぁ、禅僧も剃髪してるので、抜く髪はありませんけどね。


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