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旧ディジョン日記(移転しました)

以前フランスの地方都市ディジョンでフランス語を学んでいました。

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肉!

 8週間たちました。
 自分の実感としては、「もう8週!」といった感じで、目標とするところに届く気がしません…。
まだ、到着したばかりの、パリのシャルル・ド・ゴール空港の光景がつい最近起こったことのような気がしてなりません。

 天候はすごしやすくなりました。
半袖だと寒い日も多いので、服の選択には迷いますが、長・半をいったり来たりといったような感じです。

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タイトルの肉の前に、野菜の補足。

レタス:フランスでは、レタスのことを「サラダ」と呼びます。
    じゃあ、日本語で言う、野菜の盛り合わせのサラダは何というのかといえば、
    これも「サラダ」、ともにSaladeと綴ります。紛らわしい…。
    スーパーと市場で見る限りで、レタスは日本と違うな…と思ったのは、
    葉がしっかり開くまで育てているという点。
    その分、長持ちする印象です。味は、葉が開いて緑になっている分、葉物の苦味が少し強いです。

    ちなみに…レストラン等で、野菜の盛り合わせの「サラダ」を頼むときは要注意。
    サラダだけで、大きい皿にいっぱいの野菜が盛られて出てきます。
    女性の人に多いみたいですが、サラダだけで昼食を済ませるという場合もあります。

んでは肉…

 スーパーに行くと、肉の選択肢はあまりなくって、市場に行かないと分からないことが多いです。
そういえば…街中に店舗を構えた肉屋って見たことないな…。肉屋は、市場にしか出店しないのだろうか…?
 
 確認ですが、市場とスーパーは別物です。スーパーは店舗を構えた販売店。市場は、ディジョンの場合は、中心街で毎週火・金・土曜日に開かれる定期市です。他所でも開かれるみたいですが、自分は毎週中心街に行っているので知りません…。そうすると、顔馴染みのお店なんか出来たり。市場に毎週来るアジア人ってだけで、覚えられるみたい。
 
 値段は、一般的にはスーパーより市場のほうが若干値段が高めです(これは以前書いたものを訂正します)。ただ、全部が全部高いというわけではなく、探せばそれなりの値段で手に入るものもあります。ただ、こと肉に関していえば、市場でしか手に入らないものが多いので、食肉文化を知るのには、ここを訪れるのはうってつけだと思います。

 グーグル漁ったら、写真があったので転載

Halles  marcheacute; de Dijon
 この建物の周りには、車が一切なくなり、その代わりにテントが立ち、仮設店舗が軒を連ねます。

 で、この建物の中の様子は…↓
A linteacute;rieur
 誰もいない時間にとったのでしょうね。開催中は、多くの買い物客で賑わいます。

牛肉:
 牛肉はやはり育てるのに時間と手間がかかる分、日本と同様にそこそこの値段がします。ブルゴーニュ地方は特産品として、Boeuf Bourguignon 「ブルゴーニュ牛」というのがあるのですが、ちゃんとした料理法を知ってから挑戦しようと思っているので、まだ試してはいません。

 牛肉は日本とは育成方針が全然違います。脂身は少なく、肉の柔らかさを追求というよりは、しっかりとした肉の旨みが味わえるので、自分としては好きです。ただ、ステーキなどは硬いので、よく噛むようになります。この前、レストランに行ったときに、同じタイミングで出てきたステーキを、フランス人は僕の倍くらいのペースで食べていて、びっくりしました…。野生動物は、捕食の間、無防備になることを考えると、食事の時間の差・噛む力の差から、生き物として根本的に異なるのではないか…と疑わずにはおれませんでした。

 安めに(市場で12~16€/1キロ)買える部位は…

 ハラミ(onglet):日本でも焼肉でお馴染みの部位。安くて柔らかいので、人気のようです。ステーキ向き。
          自分もステーキが食べたいときはこれを買います。
 うで肉(paleron):日本から持ってきた辞書には、「主としてポトフ用」って書いてあったけど…。
          ステーキでもいける様な気がします。前足の肉なので、綺麗な形にならないからかな?
 内モモ肉(tranche):フランス人はこれをステーキで食べるみたいですが、
          一度試してみたら、焼きすぎて失敗したのかな…、すごく硬かったような…。
          
 自分がよく買うのはこの辺。他にも、子牛の心臓なんかが売られたりしてて、フランスではどうやって食べるのか気になってます。心臓なんか、日本じゃ焼き鳥屋くらいでしか見ないよね。日本と同様に、焼くだけなんだろうか…。

 生肉以外にも、加工品が売られているので、幾つか紹介。

 パテ(paté):要するにペースト状にしたもの。
    肝(フォワ:foie)をすり潰して、固めたものが多いみたい。
    店によって、材料によって全然味が違うので面白いです。
    肝が多い場合、濃厚な味がします。フォワ・グラのパテというのもあります。
    名前の通り、脂肪分たっぷりの肝から作ります(グラ:gras=脂肪)。自分はまだ試してません。

    パテを形どるものも、店によって違って面白いです。
    ゼリー状のもので形どっていたり、パイ生地を使っていたりと…。

 ペルシイェ(persillé):食べただけじゃよく製法は分かりませんが…、
    イメージとしては切り落としのハムを、大量のパセリ入りのゼラチン質で固めたもの…って感じかな。
    ハムのピンク色とパセリの緑が対比を成して、見た目にも面白いです。

 ソーセージ(saucisse):いわゆるソーセージだけど、日本と全然違います。
    売られているのは、生か、燻製・乾燥させたものがあります。
    生は、自分で焼いて食べる…当たり前か。味付けのバリエーションも幾つかあります。
    
    面白いのは、乾燥させたものです。これは完全に保存食です。
    売られ方も豪快で、野ざらしでも平気みたいです。
    僕も自室で常温で1週間放置したものを食べましたが、何の問題もありませんでした。
    冷蔵庫を持ってない野外の店舗でも、蜂がたかろうが、他の虫がたかろうが…以下略。

    見た目には一見するとグロテスク。
    カビなのか、塩分なのか、よく分からないのですが、表面には白いものが付着してます。
    ただ、食べる際に、表皮は剥くものなので大丈夫。というか、硬くて食べられない。
    匂いも強烈です。
    切って中を見てみると、どれくらい長い時間熟成させているのか分かりませんが、
    じわりと脂肪分が溶けだしてきます(夏だったので余計に溶けてきたのかもしれません)。
    塩味がしっかり効いていて、なおかつ噛めば噛むほど肉の味がする…これはもうお酒のつまみです。

    味付けの種類も豊富。チーズ、ニンニク、タマネギ、ワイン、タイムなどの香草、オリーブ…Etc

    日本の湿気に耐えられるのかどうかが不安ですが、
    スーツケースに入れて土産として持って帰るとすればこれだろうなぁ…。
    スーツケース臭くなるだろうけど…。

 日本の近所の肉屋もこれくらいやってくれれば面白いのにな…コロッケばっかり作ってないで…。

 一般的な注意ですが…

 肉はちょっとばかり獣臭いです。独特の匂いがします。慣れるまで、ちょっと時間がかかったという人もいるみたい。ラム肉の臭みが全然受け付けられないというほど、獣臭さに対して敏感だと、ちょっと苦労すると思います。翻って、日本の肉・加工食品は、なぜこの様な臭みがないのか…?この問いを突き詰めてみると、多分、食肉文化を日本向けにするための努力が、臭みを消すための努力が垣間見れるのではないか、と思っています。それが「正しかった」のかどうかは分かりませんが…。

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アラブ人観察日記

 一週間か二週間前には、うだるような暑さだと報告しましたが、今週の半ばから、雨が降り、一気に気温が下がりました。昼でも20度の前半、夜は10度の前半と急に涼しくなりました。もし、夏にフランスに来る人があれば、こんな具合なので、長袖は必須です。 

 自分は、最近ドイツ語の復習を再開しました。フランス語に取り組む気になれない時には、ドイツ語の文法書をおさらいしてます。とはいえ、やはり同時にフランス語の基本的な表現で抜けている表現がないかどうかチェックするために、独仏辞書を座右に置きながら、見直してます。せっかくドイツ人がいる機会なので、これを利用するためにも見直し、というわけです。

 今週から、はじめたばっかりですが、すでに発見もあったりします。例えば、フランス語には、英語で言えば、stand、ドイツ語で言えば、stehen、にぴったりと一語で当てはまる簡単な表現がないということに気づいたり。「立つ」という動作が問題になるなら、se lever を使うし、「立っている」という状態が問題になるなら、se tenir debout という具合に、動詞+副詞という表現になる、ということに気づいたり。

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 さて、タイトルにあるお話。

 語学のクラスには、アラブ人が一人います。サウジ・アラビア出身。彼を見ていると、色んなことに思いがいたります。以下は彼を見ていて思ったこと。

 *以下は自分が見た限りでのアラブ人で、一般論であるとは限りません。

 彼は、多分サウジの裕福な家庭の出身なのでしょう。マックのノートパソコン、iPad、iPhoneと最新鋭の情報端末を完備してます。授業中に、「これが僕の辞書だ」と言って、マックのパソコンを出し、グーグルの翻訳サイトに接続して、単語を調べだしたときには、笑ってしまいました。

 アラブに限らず、アメリカ人にも多いと思うのですが、「辞書」というものを持っていないということには、驚かされました。もちろんちゃんと持っている人もいます。持ってない人は分からない単語があったらどうしているかと言えば、授業中に、よくiPhoneを取り出して調べてます。最初はこの行動が理解できなかった。なんで授業中に携帯?と思わずには居られませんでした。

 余談ですが、電子辞書というものは、アジア・あるいは漢字を持つ文化に特有のものなようです。日本・韓国・台湾などなど…中国本土の人の電子辞書はまだ見たことないかな。見慣れない人にとっては、電子辞書はパソコンに見えるみたい。フランス語に対する個人の取り組み方にもよるとは思いますが、日本・韓国・台湾人はよく辞書を引く印象です。やっぱり、音声・表音文字だけでは表現しきれない書き言葉・表意文字の文化を持っているからかな…、自分も音でつづり字が分かっても、辞書で確認するまでは、落ち着きません。

 コーランの文化に属するものなのか、彼の個人的な特性によるものなのかは、もう少しアラブ人全体を見てみないと分からないのですが、口語・話し言葉に対する記憶力は驚嘆してしまいます。翻って自分はと言えば、やはり書き言葉が強い文化なのか、つづり字を見ないとなかなか言葉を覚えられません。逆に彼は、書き言葉には弱いようで、発音は知っていてもつづり字を知らなかったり、書くことには苦労していたりするようです。語学学習にも、文化の違いがはっきりと出るものなのでしょうね…。

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 また、彼の観察とは別の話で、自分で確認したわけではないのですが、寮にいるアラブ人たちは寮の内部にいても、小さな共同体を形成するようです。というのも、何か判断に迷ったら、一団の長の判断を仰ぐという話を聞いたからです。制度の名前は忘れてしまいましたが、何か問題があったときに、村の長老の判断・助言を仰ぐという制度がそのまま寮の中でも生きているようです。

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野菜・果物

日曜には、もう一個記事を書こうと思ってます。内容は未定です。

スーパーを見た限りでの、野菜と果物について。

野菜と果物は、スーパーを見るだけでも、育成方針が日本と異なるのがよくうなづけます。

まず、全般的にいって、日本より安めだと思います。

そもそも、品種が違うのかどうか分かりませんが、質が全然違うのに加え、前に書いたとおり、キログラム単位で計りが基本なので、正確な比較はちょいと難しいです。

計り売りって、ある意味合理的だと思う…。

日本だと、最近小売店に出回るようになってきた、形が不恰好な「規格外野菜」も、手軽に扱えます。

市場にジャガイモを買いに行ったら、形がそろわないのは当たり前。握りこぶし大のものから、親指大くらいのものまで、豪快に袋に入れてくれます。もちろん、それが嫌だったら、形のそろったジャガイモを扱っている店に行けばいいだけのこと。自分の欲しいサイズのジャガイモを探す…なんて日本じゃなかったな。

スーパーだと、自分で好きなだけ袋に詰めて、レジに持っていくというスタイルが普通で、自分でよく吟味して中に詰めるというのが普通です。



さて、その他の野菜について

ニンジン:日本より少し小ぶり。日本のSサイズくらいのものをよく見ます。

キュウリ:でかすぎ。育ちすぎ。生で食べると味が淡白です。レストランで一度生で出てきました。
     他の使い方はよく分かりません。

ナス  :これもでかすぎ。最大直径10センチくらいあるんじゃないかな…
     焼きナスみたいな料理は絶対無理でしょう…。
     フランス人がどうやって食べるのか知りませんが、
     自分は、オリーブオイルと塩で味付けして、チーズを挟んで焼くのが好きです。

タマネギ:日本とあまり変わりませんが、小ぶりかな。
     多分季節にもよるんだと思いますが、皮が乾いていたり、いなかったり。
     扱いがぞんざいなんでしょうね…よく痛んでいたりもします。

ネギ  :案外よく売ってます。でもゴッツイ。
     九条ネギみたいな扱いやすいネギやアサツキみたいなのは、見たことないかな…。
     まだ使ったことはありません。

ピーマン:これもゴッツイ。果肉が分厚くて、これはこれで好きです。

ラディッシュ:いわゆる二十日大根。よく売ってます。色は紫。
     こっちの人たちは、マヨネーズとマスタードを混ぜたものをつけたり生で食べるのが普通みたい。
     自分は、ビネガーで漬けて保存食にしちゃってます。

インゲン豆:こっちに来て、一番びっくりしたのは、これの食べ方。
     日本では、何かのつけ合わせ程度に、ちょこっと食べるだけだと思ってたら、
     学食やレストランでは、山盛りのインゲン豆が出てきます。
     味付けは塩で煮てるのかな。詳しくはちょっと分からないです。
     大きい皿の3分の1から半分を占めている…と言えば、想像がつくでしょうか。
     すごい食べ方をします。その分、一本一本は小さめで、皮もやわらかく煮てあります。


一方、果物は…

全体的に小ぶりで日本より格段に安いと思います。サクランボ、アプリコット、リンゴはフランスのものをよく見ます。その他、バナナやモモなんかも見かけます。バナナはさすがに輸入しているみたいで、自分がよく行くスーパーの一つでは、ドミニカ産のバナナを扱っていました。どの店舗で買うかで値段は大きく変わってきますが、リンゴ・モモ・バナナは1キロ約2~4€くらい。サクランボ・アプリコットはちょっと高めで3~5€くらいでよく見ます。

安いのは、多分、大きく育てないから、だと思う。リンゴにせよ、モモにせよ、日本の国産は多分、選定して一つの実に栄養を集め、手間かけて、甘くて美味しくて大きいの…という方針なんでしょう。モモは、日本じゃ高級品だと思ってたけど、こっちだと結構気軽に食べられます。産地がどこか、忘れてしまいましたが…。その分、味は少し淡白ですが、普通に育てるとこんな味なんだな、きっと。



その他の野菜・果物の使い方等に関しては、まだまだ学ぶことがあるので、今後に回すことにして、今はこれくらいにしておきます。

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新しいお祭り:7月9日~11日

 今週3つ目の更新。他二つは、1.白玉団子 2.日本語の特異性について です。日曜に更新するつもりでしたが、気分で更新。したがって、日曜の更新はなしです。

 先週から今週はいろいろありました。7月14日は革命記念日でお休み、その夜には花火が予定されていましたが、夕方ころからの雷雨のため、順延となり、15日に花火があった模様です。自分は、その日は学校のイベントとして、ピクニック(といっても、学校の緑地で食べて、飲んでというささやかなものですが)に参加し、疲れたので、花火には行きませんでした。先生たちと話せるよい機会なので、こちらを重視しました。
 7月13日に前夜祭として、ディスコティックがあったのですが、それは課題をこなしていたため参加できず…、これは残念の一言。

 まぁ、全てのイベントに参加していると、体力もお金も時間もなくなっていくので、選択せざるを得ないといったところです。
 
 そこで、先週から今週にかけて選んだイベントが、「新しいお祭り」というわけです。

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 7月9日~11日の3日にかけて、ディジョンの中心街の市場一帯で、開かれるお祭りについてです。

 規模としては、6月の音楽祭よりはるかに小さい規模ですが、質が劣っているわけでは決してないです。

 このお祭りは、昨年から始まったようで、まだ二回目。また、日本ではなかなかないんじゃないか…と思わされたのは、アメリカ New Orlean との提携で行われている国際的なお祭りである、ということです。

 9日は要予約のイベントのようで、詳細は分かりません。11日の夕方ごろまで行われているようで、自分は10日の夜のみ参戦ました。

 場所について。

 広場 Place de François Rude を起点として、市場の建物 Halles 一帯に出店が軒を連ねます。

 広場の常態はこんな感じ。
place de François Rude

 グーグルマップから拝借しました。自分で写真撮れないので。

 広場には、ステージが組まれ、音楽の演奏があります。ジャンルはジャズを中心に、アメリカのアーティストが多い様でした。
 
 ここを入り口に奥に見える通りに入ると出店が並びます。

 このお祭りは、自分としてはさながら「食の見本市」といった感じ。というのも、ミシュラン・ガイドで星を獲得した有名店が、出店しています。量は本当にわずかですが、どの料理も一律3€で食べられます。他にワイン・パン・お菓子が売っていたりして、それらの値段は店によりけり。フランスのワインが飲めると思えば、カリフォルニアのワインがあったり、中には、タダで飲ませてくれるアメリカのワインのコーナーがあって、「あ、これはフランス相手に商売に来てるな」と思わされます。

 きっと、飲食・食料品業界の関係者が多数来るようなお祭りなのだと思いますが、詳しいことは分かりません。もちろん一般の人が楽しめるものです。

 自分は、味の分かる寮の日本人とともに、回りました。さすがに味の話となると、微細な表現でないと話にならないので、この日一日は思い切り日本語で喋ることを自分に許可しました。

 途中で、他の3人の日本人と合流しました。そのうち2人は夫妻でフランス留学しに来ていて、旦那さんは、なんと日本でソムリエ!をやっていらした方でした。こんな機会でもない限り、ソムリエの人とは知り合えないだろうなぁ…。多分、日本で遭えたとしても、客と店員という関係で終わっていくに違いない。フランスにいる日本人というだけで、結びつきが出来る共通項目になるのだなぁと思わされます。
 
 余談ですが、料理の量が少ないのもあり、口直しに最適なのもあって、パンを買おうとして、パン屋を覗くと、なぜか語学学校の先生が!どうやら、パン屋の助っ人としてアルバイトしているみたいで、一瞬言葉を失うほど焦りました。何せ、日本語で味の話をするばかりに、すっかり油断していたもので…。「何が欲しいか、言いなさい」と名指しで言われてしまい、ほとんど脅迫のように聞こえました。

 味とワインのスペシャリストが同伴してくれたことも加わって、面白い体験が出来ました。そもそも、プロは味に関してどのような表現をするのだろうと前々から興味を持っていたのもあり、自分としては、この思わぬ出会いが何よりの収穫でした。

 お酒の好みを告げると「これはどう?」と言って、彼のグラスを渡してくれたり、「これこれを試すといいよ」とアドバイスをくれたり、「日本だと、シャンパーニュ(シャンパン)はこんなに気軽に飲めるもんじゃない」とか、「この牛肉はフランスでも高い評価を受けてる肉だ、これを食べると日本の畜産はもっと勉強してほしいと思わされるね」などなど…自分ひとりでは、気づかないだろう点を指摘してくれるし、自分が日本では得がたいことをしているのだなぁと、つくづく思わされました。夫妻には、いつか、ワインと食についてご教示賜りたいものです。

 食とワインについての詳細は、まだまだ途上にあって、何か書けるほど熟していないので、機を待っているところです。 

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日本語の特異性について

 今日は、革命記念日で休日です。夜にはフランス各所でイベントがあるようですが、課題やら、何やら溜まっていて、自宅待機になりそうです。残念。今週は3つ記事を分けて書こうと思っていて、その2つ目(1つ目は「白玉団子」)、残り1個は日曜日に書きます。

 日本語について。ですます調でこの類の話を書くのは苦手なので、硬い文体で書きます。

 日本語について、非日本人と話をする機会があると、日本語はやはり変わった言語なのか、たいていの場合、「日本語はとても難しい」という反応がある。私としては、苦労して日本語を習得したという記憶はないので、何がどう難しいのか、正確に言ってみるのは難しい。文法的な比較・特異性を話すのも面白いとは思うのだが、そこまでの語学力はまだ残念ながらない。そこで、現段階では、日本語について話す機会があった場合には、文字について話すことにしている。

 日本語の文字について話すときには、まず「日本語には異なる3つの文字体系がある」と言っている。平仮名・片仮名・漢字である。自分で「体系」と言ってから、後になって気づいたのだが、よくよく考えてみれば、文字体系が3つもあるとは異様なことではないだろうか。今日の日本語では、それぞれの特徴に応じて、3つの体系を使い分けて一連の書き言葉を組織する。しかも、漢字については、その体系の完全性を言うのは難しいが、しかし平仮名と片仮名については、完全性を有すると言っていいだろう。完全性とは、次のことを言う。

 例えば…
 
 昨日雨が降った。
 →きのうあめがふった。
 →キノウアメガフッタ。

 以上のように、平仮名か片仮名のいずれか一つを用いて、原理的には、言語によって言い表しうる全ての事柄を表記することが可能であるという点にある(もっとも、詩などの特殊な表現を別にすれば、もはや平仮名か片仮名だけの文を読みたいとは思わないが)。漢字については、歴史的に見れば、ある期間には完全性を持っていたということも可能だろうが、いまや漢字のみで全ての言語表現を実現するのはなかなか困難であろう。また、実際に日本語で書くことが問題になるときには、平仮名に完全性があるからこそ、漢字と平仮名の間の選択肢の存在、さらには、それは表現上の価値の、場合によっては微細な差異に繋がってくると思われる。

 こうした文字体系を持つ言語は他にないのではなかろうか。

 現に、他国の人に、その人の名前を平仮名表記と片仮名表記を併記して渡し(例:「ふれでりっく」、「フレデリック」)、「これらは表記としては異なるが、同じ価値を持つ」と言うと、「興味深い」と言ってくれる。これだけの話題で興味を抱いてくれるので、日本語を母語とするものとしては、なんだか得した気分である。

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白玉団子

 不定期更新。短めの記事です。
 
 先の日曜日、ふとしたきっかけで、他の日本人と、ドイツの女性と3人で日本食を作るということになりました。とはいっても、牛蒡が手に入らないなど、フランスで手に入る食材は限られているし、その上加えて、そのドイツ人はベジタリアンということで、魚の出汁を使って本格的に…ということは無理なので、野菜の寿司と白玉団子を作りました。寿司は、炊飯器、米の質、水加減などなど…いろんな要因が絡んで、失敗作でした。

 僕の提案で(というか思いつきで)作ることになった白玉団子はうまく作ることができました。日本食&中国食材などまとめて扱っているコーナーが市場にあって、そこで購入。白玉粉つまり、もち米粉が売っていたことには驚かされました。市場の売り子さんは、日本人なのですが、もち米だということに気づいてなかったみたいです…。

 白玉団子という選択はよかったみたいです。狙い通りに面白がってくれました。もち米独特の弾力性・もちもち感というのは、珍しいらしく、彼女は最初はおっかなびっくりで、未体験の食感に挑戦していました。作る工程も見ていたので、「こんなので本当に食べられるの?」と。水と粉を捏ねて、団子状にして、お湯にくぐらせるだけ、というのも驚きだったようです。アジア特有の食感なのでしょうね。作って反応を見ているだけで、面白いものでした。もち米粉さえ手に入れば、作るのは簡単で、その割には効果は大きかったので、結果は上々です。

 余談ですが、餡子にも驚いていました。「デザートに煮た豆?!」というのも常識破りだったようです。

 団子と餡子は日本人にとっては、当たり前の食感・食材だけれども、驚いてくれるの新鮮でした。

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フランスに来る前に、あるいはフランスの教材

 先週の記事が異なるジャンルに属するものが、ごっちゃになっていて、よくないなと反省したので、今週から、2つ以上の話題がある場合には、記事を分割するようにしました。今週も2つの話題があり、下に別の記事を掲載しておきました(「蚊帳あるいは網戸」)。

 今週は、日曜に野暮用があるので、前倒で更新します。

 さて、今回は少しばかり実用的というより、むしろやや教訓話。Bourgogne大学の語学学校CIEFにある教材の話。

 Bourgogne 大学は、教材を学生に貸し出してくれます。預かり金として20€を支払うと、その資格を得ます。20ユーロは、特に問題が無い限り、学期末に返してくれます。そこにある教材は、本当に優れたものだと思います、日本の本屋に並ぶ多くの教材は、ボッタクリではないか…と思うくらいに。それに加え、やはり生きたフランス語を学ぶ、という姿勢を前面に出した構成になっており、リスニング教材を聞いてみても、容赦なくナチュラルスピードでついてきなさいね!と言わんばかり。文法書、リスニング教材、語彙教材どれをとってみても、練習問題も豊富に掲載されています。というか、練習重視に編纂されているようで、座右に置いておく本というよりは、とにかく量をこなしなさい、という教育方針のようです。まじめに取り組めば、取り組んだ分見返りがあるのは間違いないと思います。ここを利用しないのは損だな…と思わさるほどです。

 少し脱線。実際、自分は今は Phonétique つまり、発音・発声の教材を手元に置いて取り組んでいますが、日本でこんな本見たことない…というくらいに充実した内容。Phonétique は、レベルで言えば、入門。1ヶ月経過したところで、やはり自分の発音・発声が甘い、全然なっていない(幾つかの音が、致命的に弱い)ということに思い至り、できる限り早い時期にしっかりと見直したほうがいいといいと再認し、7月はこれに取り組んでいます。ただし、周囲には、発音をちゃんと…という人はあんまりいないみたいで、Phonétique の教材は人気がなく常に棚はいっぱい。正確な発音を気にしていない人も多い。でも、発音がどうあれ、構うことなくどんどん話してくるから、厚顔って恐ろしい いいことです。日本の人たちの発音は、聞きやすくていいです。やっぱり、完全に異なる母音体系と弁別が難しい幾つかの子音(RとLとかね)があるということを自覚しているからかな…。発音は、自然と身につくと考えることも正しいとは思うけれども、音の弁別体系をしっかりと知っておくことは、リスニングに繋がってくると思うので、手を抜かずやったほうがいいと思い取り組むことにしました。特に、フランス語には Liaison、Enchaînementという、単語同士がくっついて発音される現象があってこれがヤヤコシイので、ちゃんと規則を見直したほうがいいかなと。思えば、自分の出た大学の授業の初級の語学クラスの発音は、いい加減だったなぁ…。限られた時間内では仕方のないことだとは言え…ね。

 話を主筋に戻すと、教材が素晴らしいのは間違いないのだけれど、一つ問題があって、もちろんここはフランスなので、教材はすべてフランス語によるフランス語の教材だということ!したがって、入門者には、少し敷居が高く感じられると思います。しかし、教材もフランス語のものに切り替え、常にフランス語によって考える、という環境に身を置くのが何よりの方法だと思います。つまり、何が言いたいかというと、日本を出る前に、文法書一冊あるいはそれに準ずるものをやっているのとやっていないのでは、スタートの切り方が全然違うと思う。実際、基本動詞の活用も知らずに、フランスにやってきた日本人の何人かは、苦労しているみたいだし、なかなか教材を借りるというという段階にまでは至ってないないみたい。

 情報誌にどれくらいで「語学が身につくか?」なんて、ナンセンスな質問があるけれども、これは個人差で、まったく鵜呑みにはできない、実際書いてある回答は「個人差によりますが…」なんて前置きがあるのが普通でしょう。こっちに来てから自力でどれだけ足掻くか…じゃないでしょうか。そのためにも、よき滑り出しのために、日本で勉強してくるのは、必須だと思います…。

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蚊帳あるいは網戸

 前回も書いたけれども、予想外のフランスの天候に少し参り気味です。連日昼間は30度を超し、夜も9時過ぎまでは日があるので、夜遅くまでなかなか涼しくなりません。涼感について言えば、フランスの文明は日進月歩で、クーラーなんてご大層な文明の利器は高望みもいいところ(しかし暖房はちゃんとついてる)。それにフランス人はクーラーは多分必要ないんでしょうよ…、やつらは暑い時期にはバカンスに出かけるのだから!いつも学校の行き帰りに寄っているパン屋にも、バカンスの張り紙が出ていたり、7月の頭には学校の教師やスタッフ同士でバカンスの計画を話していたり…。クーラーなんて無駄遣いだと思っているに違いない。とは言うものの、大型店舗にはしっかりクーラーが効いていたりして、肝心なところは外していないから憎らしい…。

 自室は西に面していて、西日が長いこと当たっているのは、夏は致命的だったり…。避暑の方策を考えなければ、夏は大変だ…。西側の居住者たちは、同じ悩みを抱えているようです。会って開口一番が「暑い」…。

 さて、上記のような状態で、日本にあって、フランスに無いもので、なおかつあったらいいなというものが、網戸というわけ。蚊帳はいまどき、日本でも探さないと見つからないでしょう…。一応、寮の窓の外にはシャッターが備え付けられていて、隙間が開いて風が入るようには設計されているけれども、涼感とは程遠い代物だったりします。開いている面積が狭すぎて、空気がなかなか抜けないのでやってられない。網戸をディジョンでまだ見かけたことはありません。

 夜も涼しくなるのは日付が変わってからという状態なので、窓を開け放つのは自分にとっては常のことなのだけれども、室内照明を煌々と点けていると、網戸がないので、招かれざる闖入者たちが沢山入ってきます。虫やら何やら…入ってくるのは当たり前。虫が大の苦手でなおかつ暑いのも嫌という人は、対策が必要でしょう。

 フランスにも蚊はいますが、日本の蚊と違って、根性なしです。実感では、人間を刺すことはあまり無いみたい。よく、卓上ランプの元に集っては、勝手に死んでいきます。気づいたら、蚊の死体が溜まっている…なんてことも。蚊帳や、網戸といった代物は日本のしぶとい蚊が発明の父だったのかもしれません。蛾や、時折、蜂も入ってきて、視界に入って目障り、羽音が耳障りな彼らには、心無い一撃を。ここ一週間ほどは、てんとう虫数匹が部屋に居ついたまんま、という生活です。

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6月21日音楽祭

フランスディジョン…予想外に暑いです。ここ数日は昼は30度を超えています。日の高い時間も長いので、夕方5時過ぎまでは暑かったり。今は金曜・土曜と動き回った疲れで少しバテ気味。また気温差も結構あって、19度~31度と10度以上の開きがあって、それもまた疲れの一因かな。

フランス到着から1ヶ月。自分の語学力には明確な変化が表れだしました。まだ、完全に明確には聞き取れないけど、少しずつ聞き取れる分節が増えてます。モノを買う時の金額は、まだ復唱しながらですが、明確に聞き取れるようになってきてます。

ワールドカップは、日本は善戦でしたね。直近の親善試合の結果からすれば、期待できなかったけども予想外の活躍だったのでは。フランスは…残念ながら全敗でグループリーグ敗退でした。ラジオや自分の周囲にいる人たちによると、Catastrophe 「大惨事・大失敗だよ」とのこと…。英語にも同じ単語があり、英語では程度の強い表現なので大袈裟な表現だと思ってたら、フランス語では案外日常語のようです。あるフランス人のマダムと話をしていたら、お金の話になった。「ワールドカップに日本も多額のお金を投じてるのでしょう?」と…。こういう国なのだな。

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6月21日。この日はやたら寒い日だった。日本ならば3月の半ばから終わり頃に着てもおかしくないような、少し厚手のコートをシャツの上に羽織って丁度、という寒さ。ウールのセーターを着ている人もいるような寒さ。2週間後には、真夏のような暑さになっているのだから、大陸の気候は油断できない…。

音楽祭

この日は、街頭のいたるところで、大小を問わずステージが組まれ、街中で音楽を楽しむという日。ステージは大掛かりなものから、舗道にスピーカーを転がしただけ、というものまである。自分が確認したものだけでも、10以上のステージはあろうか…中心街のどこに行っても、音楽、音楽、音楽という日だ。会場の都合でバス路線も変更を余儀なくされる。なぜ週の頭の月曜日なのかは詳しいことは分からない。6月21日と決まっているようであり、この日に何か特別な意味があるのかもしれない。

夕方ごろから、ぼちぼちと祭りの先触れが始まり、7時ごろからお祭り騒ぎになる。この季節は、9時半過ぎくらいまで明るいので、まだまだ明るい時間に祭りは始まる。自分は、昼過ぎから街で探し物をし、カフェで時間をつぶしたりして、ことの起こりをまつ。この日をめがけてディジョンにやってくる観光客も多いみたいで、中国人やら日本人の団体観光客もチラホラいた。

ステージの質は、悪くない。だが、プロというわけでもないようだ。ディジョンを中心に活動すると思われるバンドの演奏は、ステージ慣れしているようで、とても上手だとは言えないが、ずぶの素人というわけでもない。市民の参加する合唱団もあり、数あるステージの一角を占めていた。長い時間をかけてこの日のために準備をしているようだ。さまざまな人が、思いの場所で、好むジャンルの音楽を、という楽しみ方ができる。市民が参加することが重要なようだ。

それの証拠になるような、ちょっとした出来事があったので紹介しておく。自分は夕方ころから街をうろついていたため、途中でトイレがしたくなった。そこで、通りすがりのマダム2人組みに「この近くにトイレはないか?」と聞いてみた。そうしたら…そのマダムたちは、やってきた方向へと踵を返し、何をするかと思えば、ステージの上で歌っている友人の名前を大声で叫び、親切にもその友人にこの近くにトイレはないかと聞いてくれた。有難かったのには間違いないが、「あんた、その人今ステージで歌ってるやろ!」と突っ込みたかった。しかし、お互いにそんなことはお構いなしのようだ。うーむ、長い時間かけて準備してきたステージより、自分の一時に生理現象を気遣ってくれるとは…。

お祭りの主体になるのは、若者だけの特権ではないのがこの祭りの大きな特徴だ。老若男女問わず祭りを楽しむ。教会も例外ではない。自分は、NotreDame 教会に行ってみた。このノートルダムは、小さい教会だが、教会内は音響効果を計算して作られていることが伺える。一曲だけ、パイプオルガンの伴奏があった曲を聞くことができた。パイプオルガンは天井から聞こえてきた。こうした音響効果には何か特別な意味があるのかもしれない。教会内は外のお祭り騒ぎとは一変して、静謐な空間に、厳かな時間の流れ方をしていて、興味深い。貴重な体験だった。

お祭りはまだまだ止む気配がなかったが、自分は10時半ごろには引き上げた。この日のディジョンの夜は長いようだ。

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小さな教師 Thomas

以前掲載した記事を見やすさのためと、カテゴリー分類の都合のために、分割して再掲しました(7月9日)。

今日、土曜は、毎回ディジョンの中心街にいく日。朝9時にバスに乗ってお出かけした。その日も暑くなりそうな日で、ずっと動き回るのはしんどいなと思ったので、10時30分ごろにカフェに入ってパナシェ(ビールのレモネード割り)を頼む。すごくサッパリしている飲み物で、暑い日にはもってこい。2€40だった。

パナシェが半分も飲み終わらないうちに、10歳前後くらいだろうか…男の子が歌いながら、自分の座っている席の側にやってきた。「それは有名な歌なの?」と声をかけたら、そこから自分はたっぷり一時間ほども、その男の子の子守をすることになってしまった。カフェの屋内を見ると、その子の父親はずっと誰かと立ち話をしてしていて、Thomas(トマ)という男の子は暇を持て余しているようだった。何度か父親と視線を合わせたが、僕のことを害意のない人間だと思ってくれたようで、互いに微笑みを交わすだけだった。こうして自分はトマの相手を買って出た。「小さな教師」とはもちろん彼のことだ。僕は彼に漢字を教える、たとえば「星」とか「光」など。一方、彼は僕にフランス語を教えてくれる。もっとも彼にしてみれば、多分、教えるという意識はなく、僕が彼との会話の中で教わったこと、ということだけれども。

例えば、こんな具合。以下は語学の話が中心。


☆事例1

トマ:「君はどんな「動物」が好きなんだい?」

と聞かれて、自分は答えに悩み、取りあえずこのように返した。

僕:「君は?」

返ってきた答えに少しビックリした。

トマ:「僕はサソリが好き。」

トマが使ったのは「Animal」という単語で、英語と同じ「アニマル」だ。多くの日本人がそうだと信じているが、「動物」という言葉で持つイメージは、哺乳類といかないまでも、脊椎動物を中心にイメージを抱くのではないだろうか。確かに広義の「動物」はサソリも含みうる概念だけれども、まさか、自分は彼が甲殻を持つ節足動物を答えるとは思ってはおらず、思わず吹き出しそうになった。

その後、「毒をもってるよね?」と聞いたら、聞き方も悪かったのかもしれないが、多分、トマも「サソリ」がどんな動物かよく知らないのだろう…「毒?」と首を傾げて笑われてしまった。フランスに野生のサソリはいない事を祈る。

余談だが、改めて漢字の字面の持つイメージの威力を思い知らされる。サソリは「蠍」と書くように、分類は「虫」か「節足動物」で、形容なしに、ただの「動物(Animal)」と言われたときに、抱かないイメージだろう。となると、自分としては「Animal」は「動物」と訳すより、日本語とフランス語の外延を比べれば、「生き物」と訳したほうがしっくりくると思う。


☆事例2(初級文法のおさらい)

僕が彼に、外国人が日本国籍を取得し、漢字の名前を取得することができると説明しようしようとして、こう言おうとした。「もし君が日本人になるんだったら、漢字の名前を自分で選ぶことができるんだよ」と言おうとして…

僕:「君が日本人になるなら…」
トマ:(遮って)「何いってるんだい、僕はフランス人になるんだよ!」
僕:「そりゃそうさ、当然だよ!」

この時、ハッとさせられて次のように言い直した。

僕:「もし、もしだよ、君が日本人になることがあるとしたら…」

日本語じゃ分かりにくいのだけど、一回目は、「Si+直説法現在」で、「~ならば」と言って現実性の強い仮定を示す。トマにしちゃ、当然の反応だったのだと思う。二回目には、「Si+半過去、条件法現在」という構文を用いて、現実になる可能性の極めて低いこと、事実に反する仮定と帰結を述べる構文を用いる。日本語では現代には失われてしまった「ましかば・・・まし」という構文。フランス人が一回目の構文を現実味の強い仮定と受け取ることが確認できた。大人なら、内容からこちらの言いたいことを判断して流してしまいそうだが、子供は仮借ない反応を示すから勉強になる。


☆事例3(ちょっとフランス語に突っ込んだ内容)

トマとの会話は僕の電子辞書を使いながら(トマは、最初、電子辞書をパソコンと思ったらしく、「日本のパソコンはこんなに小さいのかい?」といって驚いてくれた)、時にトマの言いたいことを確認しつつ行われたのだが、そうした折に気づいたこと。

トマ:「日本語で「遊び」は何ていうの?」
僕:「「遊び(jeu)」かい?」
(僕、電子辞書に「jeu」と打ち込みながら)
僕:「これかい?」
トマ:「うん。でも「x」が足りないよ」

実は、綴り字としては、僕もトマも正しいのだが、僕は単数形の「jeu」を思い浮かべ、トマは複数形の「jeux」を考えているようだ。単数形、複数形、どちらも単語自体の発音は同じで、冠詞で区別でされる。僕が冠詞を聞き落としてしまっていたようだ。

言われて気づいたのだが、どうやら、この年頃の子供にとっては、「遊び」と言えばまず複数形で覚えてしまうようだ。

どういうことかというと、フランス語の中のいくつかの名詞は、単数形だと抽象的な概念を表す場合があり、複数形になると具体物を示す場合がある。例えば、「richesse」は単数形だと「富」あるいは「富んでいること」という抽象的な概念を示し、複数形になると「富んでいる状態」を構成している具体的な要素、つまり「宝物」とか「貴重品」、「財産」を指し示す場合がある。

つまり、単数形と複数形とでは、意味が違う、ということに思いがいたり、帰って辞書を引くと…

案の定、テレビゲームは、「jeux vidéo」、さいころなどの運の次第の遊びは「jeux de hazard」といって複数形。よくよく考えてみれば、ただ単に「遊ぶ」あるいは「ゲーム」と言っても複数の動作、行動などが集まってできている。それと関係あるのだろうか。

反対に、ふざけて「お遊びだよ」という時は、つまり概念としての「遊び」が問題になるときは、単数形を用いるみたいだ。

辞書で引く限り、例文が記載されているだけで、明確な区別として記載はされていなかったので、あまり確かなことではないんだけど、多分、トマは「jeux」で具体的な「遊び」を考えているのか、または単数形と複数形の区別ができていないのか、どちらかなのだと思う。だが、彼の意識にとっては、「遊び」は複数形の形で覚えられていることは確実だろう。なかなか興味深い。

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時間が来たので、トマに「行かなくちゃ」と告げて、抱き合って別れを惜しんだら、「日本人はそうやって表現するのかい?フランス人はこうするんだよ」と言って(決して僕のやり方が日本的だとは思わないが)、Bise を教えてくれた。フランス人の親しい間柄の挨拶で、互いの両頬を交互にこすり合わせるやつだ。まさか、こんな小さな子と Bise をするとは思っていないのに加え、これが自分にとっての初めての Bise になるとは思っていなかった…。

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