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旧ディジョン日記(移転しました)

以前フランスの地方都市ディジョンでフランス語を学んでいました。

フランス語:動詞の活用のコツ

 フランスはすっかり秋です。雨が降ると肌寒く感じるほど。

 8月の授業以来、幾人の人にとって、自分は「動詞の活用キ○ガイ」とか、「活用マシーン」として認知されるようになりました。

 フランス語学習の大きな障壁として、動詞の活用という厄介なものがあります。

 動詞の活用とは、英語でいうなら、do does didといったものです。

 フランス語の場合、英語と比較すれば、遥かに動詞の活用が複雑です。直説法現在の1人称・2人称・3人称の単数&複数の活用はもちろんのこと、その他に、

 ・直説法半過去
 ・直説法未来
 ・条件法
 ・接続法 

 と、最低でもこれだけの語形変化を覚えなくてはなりません。さらに加えて、それらの複合時制と、昨今では、廃れつつある単純過去、接続法半過去の語形を加えれば、丸暗記しようとすると大変なことになります…。

 基礎的な単語に関しては、ほぼ活用を覚えてしまった自分にとっては、後は、抜けているものや、忘れかけているものを覚えなおす作業を残すのみで、厄介でも何でもないんですが、一から覚えるとなると、やはり大変みたいです…。この困難は国籍を問いません。

 8月の授業では、フランス人にとっても厄介な単純過去の活用を答えてしまってから、「活用バカ」と渾名が着いてしまいました。

 ただ、やはり自分も苦労しました、コツをつかむまでは。コツをつかんでから、結構楽に覚えれるな、と思ったので、そのことを紹介してみることにします。

 したがって、以降はある程度知ってる人向けの記事。

--------  

いきなりですが、以下の動詞の不定詞・法・時制を答えてみてください。

je courais

正解は、後述。

なぜこの動詞を選んだかというと、この動詞の活用表を見ているときに、

「あ…フランス語の動詞の不規則活用はある意味、規則的だな…」と思うようになったから。

さて、この動詞の不定詞は、courir 「走る」という動詞です。

直説法現在の活用は、

je cours / nous courons
tu cours / vous courez
il court / ils courent

となります。


直説法半過去。

je courais / nous courions

したがって、上記の問題は、courir の直説法半過去です。


ついでに接続法現在。

je coure / nous courions


さて、ここで2問目。次の2つの法と時制を答えてみてください。

je courais / je courrais

一見すると何が違うのか…って感じですが、

前者は半過去、後者は条件法現在です。よく見ると、後者は -rr- と綴られているのが分かります。

そこで…


単純未来。

je courrai / nous courrons


条件法現在。

je courrais / nous courrions

---------

この活用に出会った時に、ある仮説のもとに、大学時代に習ってきたことを疑ってみました。

大部分の動詞においては、条件法と未来形は、不定形から作る。

もちろん、「大部分の動詞においては」、という表現は、例外何でもありじゃん、というものなので、
あんまり深くつっこんでもしょうがないんですけど…

自分としては…、「動詞の不定形に活用語尾をつける」という説明よりも、むしろ、

「動詞の『語幹』に -rai -rais -rons -riez といった、Rの音を含めた語尾をつける」
さらに
「Rの音は、未来形と条件法のマークとして機能していて、必ずRの音は保たれる」


と考えるようになってから、不規則動詞のかなりの部分が覚えやすくなりました。

詳しく説明すると、

courir の動詞の活用の一群を眺めてみたときに、変わらない部分として、cour- が現れていることに気づきます。

cour- が語幹でそこにさらに未来形・条件法の時には、-rai -rais を加えている。

さらに突っ込んで、動詞ごとに、語幹に注目する、という作業を始めました。

ただし、ここで言う語幹とは、発音の変わらない部分のことを言います
したがって、つづり字の変わらない部分のことを言っているのではないのであしからず。

courir の説明は、他の動詞にも適用できて…

例えば、payer という動詞を観察してみます。

直説法現在。

je paie / nous payons
tu paies / vous payez
il paie / ils paient

未来形。

je paierai / nous paierons
tu paieras / vous paierez
il paiera / ils paieront

現在形で現れている、語幹の paie + r- で未来形が出来てます。

なお、現在形の1人称&2人称に関しては、

推測の域を出ないのですが、

-ons -ez という母音で始まる活用語尾と、

語幹の母音の衝突を避けるために、半母音を含むYを挟んでいるのではないか、と考えられます。

したがって…、半過去の活用語尾は、-ais -ais -ait -ions -iez -aient と全て母音で始まっているので、

payer の活用は、

je payais / nous payions
tu payais / vous payiez
il payais / ils payaient

となるのではないかと考えられます。

これで、appuyer, essayer, essuyer, nettoyer といった動詞の説明は出来ます(envoyer だけは本当の例外)。

appuie, essaie, essuie, nettoie が語幹だと考えれば。

直説法現在の、単数と、3人称複数は、発音上は、語幹むき出しです。

接続法も同じく、単数と3人称複数は、語幹むき出し。

s'asseoir なんてガチで活用しているのを見たことはないですし、多分、実際活用して見せても、フランス人からも気味悪がられるだけだと思いますが…

現在形で現れている、

je m'assieds

の assié という発音が語幹になって、未来形を作ります。

je m'assiérai

--------

ただ、語幹と一口に言っても、

動詞によっては複数の語幹を持つものが多いのが厄介。

例えば、

plaindre の現在。

je plains / nous plaignons
tu plains / vous plaignez
il plaint / ils plaignent

半過去は、je plaignais

未来形は、je plaindrai なので

この動詞は、plaign- と plaindr- という2つの語幹を持つのが分かります。


résoudre の現在

je résous / nous résolvons
tu résous / vous résolvez
il résout / ils résolvent

未来形は、je résoudrai なので(半過去は省略)

résolv- と résoudr- という2つの語幹です。


acquérir という動詞は、語学学校の先生いわく「これ活用してたら、かなり奇妙に聞こえる」というくらい、

フランス人でも活用がしない動詞らしいですが…(複合過去で使うのがもっぱららしいです)、

一応語幹を拾ってみるならば、

aquier-, aquer- という2つの語幹の音が、常に保たれているのが観察できます(各自で確認を)。

したがって、未来形と条件法では、j'aquerrai, j'aquerrais と -rr- が2つ重なっているのが確認できます。

---------

そして…、

規則動詞の語幹の発音に注目すると、

現在形・接続法の1人称&2人称の複数を除いて、

全て語幹だけ発音で済むことが分かります。


現在。

je donne / nous donnons
tu donnes / vous donnez
il donne / ils donnnent

接続法。

je donne / nous donnions
tu donnes / vous donniez
il donne / ils donnnent

規則動詞の未来形・条件法の発音に関していえば…

不定詞から作る、という意識・教育は止めたほうがいい、というように思うようになりました。

書き言葉としては、至極正しいと思うんですけどね…。

思うに日本は、エクリチュール中心主義ではないかと疑ってしまう。

語幹+ -rai, -rais で作る、と思ったほうが、迷わないな、と。

例えば…

améliorer の未来形の発音は、一人称単数現在と同形、つまり語幹を言い切ってから、未来形語尾を足してあげる、と考えたほうが、迷わずに済むと思うのですが…、

他にも…

entrer
rencontrer

などなど…「不定詞から作る」という意識があると、

「アントれれ?」「ランコントれれ?」と混乱してしまいそうになる動詞があります…(実際は「アントるレ」「ランコントるレ」)。

なかなか、思ってても、実践出来ていないのが現状でして…(汗)

--------

結論。語幹は大事だぞ…と言いたかっただけです。

基本的な活用が頭に入っていることが大前提になりますが…、

自分は実際、動詞の活用を覚えるときは、語幹に注目して、まず語幹をしっかりと押さえることから始めます。

語幹だけを覚えるのだったら、1つの動詞に対して、多くても3個くらい(単純過去を含めると最大4個)で、現在分詞・過去分詞を覚えるだけなので、たいした負担にはなりません。
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